このシリーズを描き始めた時、赤ちゃんの絵自体に苦戦しました。何しろ赤ちゃんですからまだ動き回れない姿です。ベッドに寝かせたり、要するに横になっている構図になりがち。そうなると背景が全部布団の色で覆われがち。家具やおもちゃを入れても入れなくてもそうですが、背景をリアルに描き込んだら描き込んだで今度は生活感が出すぎて私の好みの絵ではなくなってしまいがち。何度も描き直したのですが、気に入らず、描きかけの紙ばかり溜まっていく毎日でした。
そこで重要になるのが背景の花選びですが、ここに描かれている釣船草は、夏に八ヶ岳の別荘に滞在させてもらった折に、オーナーが摘んで来て部屋に飾っておいて下さったもの。
この子達に合う花は何だろう、と言うことで自宅で描いている時も、もの凄い量の花を調べていたのですが、八ヶ岳に着いてふとアトリエの机を見たら、この釣船草があった!しかもそれがこの絵のふたごに似合った!と言う訳です。
野草ですし、標高が高い場所に咲く花のせいなのか絵が仕上がる前に枯れてしまいガッカリしていたら、農場に出店していた植木市を見に行った時、鉢で見かけることが出来て大喜びしました。漁師が釣りをしている姿に似ていることからこの名前がついたそうです。