書評(ちかぞう様)『マンガでわかる!子どもがアレルギーと言われたら読む本』

3児の母でライターのちかぞうさんより、
『マンガでわかる!子どもがアレルギーと言われたら読む本』の書評をいただきました。

目次

アレルギーっ子ママの“超強力な味方”になってくれる1冊!

ちかぞう

願わくば・・・子or孫がアレルギーと言われたら、パパやジジババがまず読んで「アレルギー最新事情」をしっかり把握して、それからママにプレゼント。で、しおり代わりにタリーズカードあたりを挟んで「子どもは大丈夫、カフェでのんびりする時間も必要だよ」と送り出してほしいなぁ♪

励まされます。
自分には、こんなにたくさんの味方がいるって思えます。
子どもと、実際にどんな風に生活していったらいいのか、明日からの解像度が上がります。

さらに、正確かつ2025年時点で最新の医療情報が得られます。
どうやって信頼できる医療者にたどり着くのか、その道標にもなってくれます。

そして、
「あぁ、自分が欲しかったのは、労わりと、仲間と、知識だったんだ」
と、気づかせてくれます。

闇雲に頑張っていると、いや、来る日も来る日もギリッギリの綱渡りを強いられていると、本来欠くことのできないものすら見失ってしまいがちなのですが、大切なコトなので、もう一度言います。
「労わりと、仲間と、知識」って、マジ最強。
そんな当たり前を、あらためて思い出させてくれる本です。

著者の竹中恭子さんは、お子さんがまだ乳児の時、ママ友仲間とボランティア団体「母乳110番」を立ち上げ、相談員としてさまざまな悩みに耳を傾けてきた、ふたりのお孫さんを持つ現役ばぁば。
(ちなみに「母乳110番」、名前は硬そうだけど、母乳育児のみならず、混合からミルク、なんなら姑にまつわる愚痴まで、LINE電話で話を聞いてくれます)

そもそも「母乳110番」をスタートしたのも、お子さんふたりがアレルギーっ子で、やっと尋ね当てた母子サークルに通ううち、あっちからもこっちからも「実はうちの子も」と質問が殺到……「こんなことなら電話相談はじめちゃえ!」と、一念発起したのがきっかけだったとか。
(冗談じゃなく問い合わせが“殺到”したそうで……詳しい経緯は「母乳110番の成り立ち」をご覧あれ)

そんな竹中さんなので、当事者としての実感や経験のみならず、アレルギーっ子ファミリーの“生の声”の蓄積量が半端ない。つまり、内容は(最新医療、ガイドライン、食材等の「情報ページ」を除けば)すべて実体験ベース!
しかも、ページの半分が、体験マンガ!

書籍に巻かれた帯にも「53人のアレルギーっ子ママの体験談」と書かれていて、それだけでも「こんなに仲間が!」と勇気づけられるのですが、竹中さんがこれまで寄り添い、時に共に闘ってきた、おそらく軽く3桁に乗るであろう戦友たちの涙と笑いに彩られた「ノウハウ&ライフハック」が、「おっちょこちょいエピソード」が、何より後輩ママたちへ向けた「大変だよね、うん、うん。でも、きっと大丈夫!!!」というメッセージが、行間から、かわいいイラストから、あふれてきます。

え、そんなウマい話があるかって?
(アレルギー商法に引っかからないためにも、用心深さ、大事!)

ではここで、内容をちょっとだけピックアップ。ほんの一部ですが、コレだけでも「あ、知っている人が書いたな」って、ご理解いただけるのではないでしょうか。

  • 「ママは自分を責めないで」
  • 「あなたの主治医は話せる人?」
  • 「問診ってどんなことを聞かれるの?」
  • 「ステロイドは怖い薬なの?」
  • 「除去しないとダメですか?」
  • 「アレルギーっ子の冷え対策」
  • 「お掃除の現実」
  • 「かゆくて眠れないときは」
  • 「アレルギーっ子の保育園・幼稚園探し」
  • 「小学校でのアレルギー対応」
  • 「パパ対策のポイントは?」(☆)
  • 「おじいちゃんおばあちゃんもわかってほしい」(☆)
    (☆のついた章については下段の【オマケ】に抜粋あり。必見!)

最後にひと言。ご紹介の締めとして、もしかしたら最も重要なことを。
アレルギーは個々に適切な治療を要するにもかかわらず、“トンデモ医療”が手ぐすね引いて待っている界隈でもあります。

今回、監修をされている西鎌倉こどもクリニック院長・下田康介先生は、北里大学病院、湘南鎌倉総合病院小児科部長を経てクリニックを開業した、アレルギー科(アトピー性皮膚炎・喘息)・小児科専門医。
その点でもホッとできるのではないでしょうか。

子どもがアレルギーと言われたら、「どうしてうちの子が!」って思います。
理不尽だな、と泣いてしまうことだって。
でもよかったら、竹中さんのギャグマンガでクスッと笑って、エネルギーとハッピーをチャージしてください。

アレルギーっ子のママと、お子さんと、ご家族の笑顔が、この本との出会いから、もっと、ずーっと紡がれていきますように。。。

【オマケ1】「パパ対策のポイントは?」から抜粋

“ママのパパに対する満足感の調査結果を見ると、おもしろいのは、毎日家事・育児をたくさんしているパパだからといって、必ずしもママの満足感が高いわけではないこと。それはそれで助かるのですが、実際はよく話を聞いてくれるパパほど満足感が高かったのです。アレルギーっ子の子育ては毎日大変なので、その重責に1人で耐えるのはつらい。だからママとしては話を聞いてもらうだけでも救いになるわけ。アレルギーっ子のパパたち、ママの話をできるだけ聞いてあげてくださいね。”

【オマケ2】「おじいちゃんおばあちゃんもわかってほしい」から抜粋

“なんでも食べられることが当たり前という価値観を持っていると、「食べられなくてかわいそう」という言葉がつい出てしまうようです。それがひんぱんでストレスになる場合は、「かわいそうでなくて、頑張っているねって言ってください」とはっきり伝えましょう。もちろん父方の祖父母には父から、母方の祖父母には母から伝えるのがベストです。”

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