「お子さんはアレルギーです。」
医師にそう告げられた瞬間、頭が真っ白になりました。まさかうちの子が? 何かの間違いじゃないの?
うちは夫婦ともアレルギーはなかったし、湿疹もアトピーも喘息も、聞いたことはあるけど…くらいでしたが、娘は生後1ヶ月から湿疹だらけ。顔は真っ赤で、ひどい状態…。
そこから我が家のアレルギー生活が始まりました。
お医者さんからは、「原因はわからない」「このくらいの湿疹は気にしなくていい」と言われたけど、娘は痒がって毎日泣き叫んでるのに、薬を塗って黙って見てるだけなんてできない。
「一体どうしたらいいの…?」
それからは毎日、病院探しに明け暮れる日々。だけど返ってくる答えはいつも同じで原因も対策も分からない。
今思えば、この頃の私はノイローゼだったと思います。
そんな私が変わるきっかけになったのが、アレルギー仲間や主治医との出会いでした。
地元の自然派の育児サークルで、同じようにアレルギーの子を持つママ達と知り合っていくうちに、アレルギーに対する理解や考え方が変わったり、家族全員の食品や食事を見直すきっかけの一つになり、生活を変えて、治療を続けた結果、症状が収まっていき、今はなんでも食べられるようになるくらいに普通に暮らしています。
アレルギーは3人に一人はかかる病気
「親がアレルギーじゃないのに、どうしてうちの子が…?」
アレルギーと診断されてからも、ずっとそう思っていました。
でも、調べていくうちに、アレルギーは珍しいものではなく、今や多くの子どもが持っているものだと知りました。最初は受け入れるのが難しくても、少しずつ理解していけば、きっと対処できるようになる、そう思えるようになっていきました。
厚生労働省の調査によると、日本では3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。
また、文部科学省の調査では、小児のアレルギー疾患の発症率は4割近くにも上り、高校生でも約20人に1人が食物アレルギーを抱えていることが明らかになっています。
つまり、アレルギーは誰にでも起こりうる身近なもの。
「うちは大丈夫」と思っていても、アレルギーはある日、突然発症することもあります。
だからこそ、「どうして?」と悩み続けるよりも、「これからどう対処していけばいいか」を考えることが大切だと気づきました。
まさかの原因…授乳中の私の食事だった!
うちの子は、生後1か月を迎えたころに、顔にブツブツと湿疹ができ始めました。
それから肌全体が真っ赤になり、さらに、耳切れ、かゆみ、肘や膝の赤みも出てきました。
これは大変!と思い、小児科に駆け込んだら、「おたくはまだ軽い方ですよ」「原因はわからない」と言われて薬を処方されただけ。
でも夫も私も「何か原因があるはず!」と思って諦めずに探している中、母乳が詰まって、母乳マッサージをしてもらった助産師さんに、「食べ物の検査をしてみたら?」と言われて、さっそく紹介された病院で検査してみると、食物アレルギーということが判明。
私が特定の食べ物を食べたあと、母乳が詰まり気味になり、その母乳を飲んだ後に、娘の肌の症状が悪化することにも気づきました。
そこから本格的に、卵や乳製品、加工食品、甘いもの、脂っこいものをやめるというように、食事改善を始めました。
食物アレルギーは特定の食べ物が原因
食物アレルギーとは、特定の食べ物が原因で、蕁麻疹や痒み、喘息などの症状があらわれる疾患です。
特に、6歳以下の乳幼児で、大人も含めた患者の10人に1人が命にかかわるショック症状(アナフィラキシー)を引き起こすこともあるため、慎重な対応が必要です。
原因となる食品は、乳幼児では卵と牛乳が多く、大人になると小麦・果物・魚が上位を占めるそうです。
「まさか、食べ物がこんなにも影響するなんて…」
これまで何気なく食べていたものが、子どもにとっては危険なものになる可能性があると知り、食事への意識が大きく変わりました。
不安な気持ちが少し軽くなる考え方
アレルギーの診断を受けたばかりの頃は、「一生このままなの?」「普通の生活はできるの?」と、不安でいっぱいでした。
でも、時間が経つにつれ、アレルギーの原因や対策、主治医や仲間との出会い、そしてアレルギーと上手に付き合う方法があるとわかってきました。
「アレルギー=制限された生活」ではなく、工夫次第で楽しく過ごせるし、大変なこともあるけれど、少しずつできることを増やしていけば、きっと大丈夫。
\アトピー・ぜんそく・食物アレルギー/
マンガでわかる!子どもがアレルギーと言われたら読む本

53⼈のママの体験談がマンガで読める
お医者さんの⾒つけ⽅から⾷べ⽅・スキンケア・⼊園&⼊学まで。治療だけでなく、⽣活全般の注意点をわかりやすく掲載した本。アレルギーの⼦との⽣活が、今よりぐんとラクになる!
「専⾨家の書いた本ではなくて、同じアトピーっ⼦のママが、書いた本だから、具体例がたくさん載っていて、共感できる」著者本⼈、そして先輩ママたちの声からわかった、アレルギーをもつ⼦との⽣活が楽になる指南書。
【著者】竹中恭子(母乳110番代表)
[監修]下田康介(西鎌倉こどもクリニック院長)
定価:本体1500円+税
発売日:2025年2月
出版社:ぬまづ書房