この花は、フクシアです。花言葉は「信じる愛」「上品な趣味」「交友」など。私は元々、下を向いて咲く清楚な花が大好きでよく描くのですが、このふたごママの背景の花選びは1番苦労しました。
でも2人の着物とポーズはすぐ決まりました。何故ならこの構図は、明治大正時代の婦人雑誌に載っていたものだからです。着物が日常着だった頃の絵だからだと思いますが、着物を着て赤ちゃんを抱く姿が、とても自然で美しく、ぜひ描きたいと思いました。
ただ元絵が白黒だったために、着物の柄は自分で考えないといけませんでした。右の葵に似た紋様は、私が少女時代によく着ていたお召しの着物の柄そのままです。左の柄は母の着物にあった柄。どちらも現物は色が全然違うのですが、フクシアの花に合わせて紫の同系色にして仕上げました。帯は半幅帯でポニーテールの髪型と合わせ、ママではあるけれど乙女で快活な感じを出しています。
垂れ下がった茎の先に優雅な花を咲かせるフクシアは「貴婦人のイヤリング」とも呼ばれ、女性へのプレゼントとしておすすめだそうです。描いた後で知りました。