子どものアレルギーにはいろんな種類があって、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息、そして化学物質過敏症などがあります。
今回のブログでは、アレルギー症状が出た時に知っておくべきことや、私自身が経験して学んだことをシェアしていきます。
▼食物アレルギーについては、こちらを参考にしてみてください。

アトピー性皮膚炎と乳児性湿疹の違い
「赤ちゃんの肌がカサカサしている」「湿疹ができてかゆがる」こんな症状があると、病院で「アトピーですね」と言われることがあります。
そう診断されるような子は、皮膚のバリアー機能が低下して、皮脂や水分が不足した乾燥状態でとても敏感なんです。そこにアレルゲン(アレルギーを起こす物質)やストレスなどの刺激が加わると、かゆみやざらつきといった症状が出てきます。
「アトピー」と診断されると、「このまま治らなかったらどうしよう」と不安に思ったり、ショックを受けるママが多いけど、「乳児性湿疹」と言われると安心した…という話を聞くのですが、実は、6か月以上の慢性的経過をたどり、かつ他の色々な皮膚病のどれにも当てはまらない、かどうかで病名が違うだけなんです。
医師によって判断基準が違うため、以下の特徴が全てでは ありませんが、多い傾向としては
湿疹:一時的なもので、適切なスキンケアで治ることが多い
アトピー性皮膚炎:皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や刺激に弱くなる状態が続く
が、よく言われています。
アトピー性皮膚炎と診断されると「一生治らないかも」と思い詰めてしまう方もいますが、症状が落ち着く時期は必ずあります。ただし、症状が出たり治まったりを繰り返すため、長い目で見てケアしていくことが大切。
知り合いのお子さんも、最初は非ステロイドの薬を塗り続けたことで薬かぶれを起こし、症状が悪化してしまいました。しかしその後、病院を変え、ステロイドでいったん肌を整えた上で毎日のスキンケアを続けたところ、症状が改善したそうです。
このように、医師の指導のもと適切なケアを続けることで、症状をある程度コントロールしながら生活する人はたくさんいます。
ただの風邪と思っていたら…実は喘息だった
子どもの喘息(気管支喘息)は年々増えていると言われています。親は喘息の症状に気づかず、単なる風邪だと思ってしまうことも少なくありません。
特に乳児や2歳未満の子どもで、こんな症状があったら要注意。
- 夜中に何度も咳き込んで目がさめる(例:一晩に4回以上)
- 胸から「ヒューヒュー」という音がする
- 風邪がなかなか治らず、長引くことが多い
- 運動のあとに咳が止まらない
「たかが風邪かな?」と思っていたら、なかなか咳が治らず、長引くケースが多いように感じるので、1つでも当てはまるものがあったら、喘息の可能性を考えて、早めに小児科やアレルギー科を受診するのがおすすめです。
また、子どもの喘息で、急に発作を起こして救急病院に駆け込んだり、眠れない夜を過ごす人も多く、悩んでいる親も多いですよね。
喘息の症状は夜中から明け方にかけて悪化することが多いので、点滴や吸入に駆け込める救急病院を見つけておくと良いと思います。
症状があるけど原因がわからない時は、化学物質過敏症かも?
アレルギーと聞くと、「食物アレルギー」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際には化学物質が原因でアレルギー反応を起こすこともあるのです。
化学物質が体内に入ると、自律神経やホルモンの働きを乱し、免疫機能が過剰に反応してしまうことがあります。
特に、体の小さい子どもは、化学物質の影響を受けやすく、少量でも症状が出ることがあるため注意が必要。
原因物質としては、添加物、農薬、食器などのプラスチック容器、発泡スチロール容器、抗菌グッズ、合成洗剤、建材接着剤、消臭剤、芳香剤などがあります。
主な症状としては、目の痛みや頭痛、せき、湿疹、鼻水、のどの痛み、吐き気、だるさなどです。
また、食品に含まれる添加物や加工成分にも注意が必要です。
市販の食品に含まれる増粘剤や保存料、お菓子や加工食品の合成香料や着色料などがアレルギーを引き起こすこともあります。さらに、「自然由来」や「無添加」と表示された食品でも、実はアレルゲンが含まれている場合があるため、成分表示をしっかり確認することが大切。
化学物質過敏症で一番困るのは、薬の中にも保存料や添加物が含まれていることがあるという点です。アレルギーの子どもにとっては、治療のために飲む薬でさえ、症状が悪化してしまうことがあるのです。
そもそもなんでアレルギーになるの?
人の体には、もともと異物から身を守ろうとする能力が備わっています。
体内に入り込んだ異物に対して、血液中の白血球や抗体と呼ばれるタンパク質が反応するのが免疫の仕組み。でもその力が強く出すぎて、逆に体に害を与えてしまうことがあります。これを「アレルギー反応」といいます。
「なぜアレルギーになったのか?」という疑問に対する明確な答えはなく、症状の出方も人それぞれ違うので、専門家でもアレルギーの原因を特定するのは簡単ではありません。
また、これといった治療法も確立されていないため、専門医による適切な診断や慎重な観察が必要になります。
アレルギーの症状が続くと、親としては「早く原因を見つけて、すぐに治したい」と思うもので、「これが原因かも?」と思ってあらゆる治療法を試してお金を使ったり、何とかして治そうと必死になってしまいますが、アレルギーは魔法のようにすぐ治るものではなく、長期的に症状と向き合い、少しずつ改善を目指すことが大切です。
アレルギー症状とうまく付き合うコツ
アレルギーの根本的な原因が特定されていない以上、確実に治す方法も確立されていません。
そしてアレルギーっ子は十人十色。症状の出方や程度は一人ひとり違います。だからこそ、焦らず、周りや他人と比べるのではなく、自分の子どもにあった生活改善と治療を見つけて、コツコツ続けることが大切。
親として「治してあげたい」と思う気持ちは私も経験がありますが、長い目で症状を観察し、うまく付き合う方法を見つけていくことが、子どもにとっても親にとっても最善の道だと思っています。
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