「たんぽぽとふたご」

この花はたんぽぽですが、今まで描いたたんぽぽとは描き方を変えて描いてみた、最初のたんぽぽの絵です。

何言ってんだとお思いでしょうけれど、それまでの私はたんぽぽを1本の草だと思って描いていたんです。美大に入る前から写実の傾向が強かったこともあって、花を描いてもなかなか現実の花から離れられず、かといってスーパーリアリズム?的な絵を描きたい気持ちもパワーもなく、自分が何を描きたいのかよく分からなかった。でも花が好きで赤ちゃんが好きで美人画や植物画を描き続けていた。

始めの頃は下書きをしてから何度も消しては描きして構図を決めて仕上げていたのですが、イラストレーターになって10年が過ぎた頃に突然白紙に直接描き始められるようになりました。これから描くべき絵がハッキリ浮かぶようになったのです。自分でもびっくりしました。

このたんぽぽとふたごは、元になったのは哺乳瓶を持つふたごの写真で可愛いなと思って選びました。でもたんぽぽは、そんな訳で突然、サラダみたいに美味しそうなたんぽぽの茂みが浮かび、こんな絵になりました。その意味で、とても思い出のある絵です。

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